敷地の周りに川や崖がないかな?

 敷地を選ぶときは、敷地周辺の環境を調べることが重要となります。

 近くに川があれば、地盤の水位が高いので、地下を造ときには配慮が必要となります。また周囲に崖があれば崖の条例がかかってきます。東京都で言えば地盤の高低差が2mを超える東京都建築安全条例第6条の規定がかかるため対策が必要になります。東京都の敷地について考えてみましょう。

さくら【悩み】

敷地の近くに川や崖がないほうがいいのかしら

建一【説明】

東京都では地盤から地盤の高低差が2mを超える東京都建築安全条例第6条がかかってくるんだ

さくら【お困り】

ごめんなさい。条文を言われても、わからないわ。

建一【その通りです】

 ごめんね。内容を簡単に説明すると建設地が崖下や崖上の場合で、それぞれがの敷地で崖崩れが発生した場合でも建物に被害が生じない対策をしてね!ということだよ。

 災害時でも建物の中を安全な場所にする大切な条例なんだ。

さくら【こういう事】

なるほど、災害時に崖の近くの建物にいても安心なんですね!

条例で決まっているなら設計者も守るので安心しました。

 東京都建築安全条例第6条は、崖が崩れた場合においても建物に被害が生じないように対策するものです。この条文は建築基準法第19条第4項「建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な処置を講じなければならない。」の強化規定になっており、地盤の高低差が2m以下の場合にも、法第19条第4項により敷地の安全性は確認しなければなりません。

 崖の基準については、各行政庁で公開しています。

今回の「がけ」の基準については、

大田区ホームページへのリンクで確認しましょう。

建一【説明】

がけ上に建物を建てる場合は、擁壁底板下部から安息角30°の範囲内に深基礎や先端支持杭し、

がけ下に建物を建てる場合には、崖側上部から安息角30°より上部まで防護壁や鉄筋コンクリートの外壁で崖の崩壊に対策する必要があるんだ。

さくら【喜び目開け】

なるほど、ここまで対策していれば安心できますね。

でも、安全性が確認できない擁壁は造り変えるのが一番ですよね!

建一【その通りです】

そのとおりです。

実際、家を建て替える時にしか、擁壁の造り変えはできませんからね。

 大地震で擁壁が倒壊して家族や第三者に被害がおよぶことを考えたら、擁壁を新しく造り変えることが一番安心できますよ!